Monthly Archives: 5月 2019

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20 05, 2019

原料への拘り 海外生産への道

国内で主に生産されているパッションフルーツはPassiflora edulisという赤紫の玉です。 糖度が高く皮からも香りが出るため生食に向いています。 私達が加工用に作っているのはPassiflora edulis f. flavicarpaという黄色く二回りほど大きな実です。 原料果実は20数年前にブラジルから三分一さんという方が10種ほどのパッションの種を持ち込み、島民に配布した物を優良種の選抜という形で、毎回播種して増やしています。 加工時に一つ一つ包丁でカットするため、香りや熟度が良い物が判別でき、その種を播種することで良質の苗を作ります。 そのため苗は全てこちらから提供したものを使うという契約になっています。 知人の伝手を頼ってフィリピンミンダナオ島の中央部Malaybalay近郊でテストを開始。 Malay balay Organic Farm 加工施設 成績は驚くほどよかったので、一次加工施設を整備し本格的に契約農家を集め各所で説明会を開始。地元のスタッフ達と山の中を飛び回る日が続きました。 栽培件数も順調に増え50軒を超えます。 ところが、有機栽培のため万が一のことを考え、1ヵ所の規模を50a以上にしないで他の畑との距離を100mほど離すように指導していたのですが、成績が非常に良かったので地元の有志が1ヶ所に4haもの栽培を始めてしまい、そこにウイルスが発生してしまいます。 当時は今のように携帯やネット環境が発達しておらず、後手後手の連絡で周辺地域に蔓延してしまい、全て焼き尽くしほぼ全滅状態になりました。 それでも前年のピューレの蓄えが数十㌧有ったため、何とか現地での事業を継続します。 ヤシ林の中の契約栽培 次に起こったのが周辺地域での土地がらみの紛争で、直接の被害は無かったのですが加工施設の土地のオーナーが紛争の当事者で、関係者にも犠牲が出始めさすがに危険を感じて設備の移動を検討。 折良くミンダナオで2番目の急成長を続けるCagayan de Oro郊外に、休眠中のジュース工場が売りに出ており、購入。と言っても容易ではなく、アンダーマネーが役所の窓口や警官でさえも催促されるような国で、売り主や税務署などと日本では信じられないようなゴタゴタが数年続きましたが、何とか地元スタッフが頑張ってくれ生産地域の新規改革から一次加工まで先の見通しが立つようになりました。 ミンダナオ2度目の加工施設 SOUTHERN YUI FARM INC [...]

15 05, 2019

原料への拘り

私達川平ファームは石垣島へ移住当時、全て島産の原料を使うことをポリシーとしていました。 基本的には病害虫が少なく有機栽培が可能なパッションと、砂糖以外の添加物を一切使用しない商品作りを目指したので、サトウキビの島で知られる石垣製糖産の砂糖で全てまかなえると思っていたのです。 ところが先ず石垣島では精製した砂糖は作っておらず、全て分蜜糖として内地の工場へ送っているとのこと。 仕方なく範囲を広げ本島の北部製糖の砂糖を使うことになります。 パッションの本来の味を如何に出すかに拘っていたので、「有機製品なら三温糖や甜菜糖を使用したら!」との声も度々聞こえ、使ってみましたが糖の癖が強く出てしまい思い通りの味にはならず、結局はグラニュー糖のみに絞っています。 一時は島内に十数軒もの契約農家が増え、新しい農作物として期待されましたが、露地栽培で台風の影響が大きく、10数年前に続いた凄まじい台風でほぼ全滅。 契約農家への保証も出来ずに島内での栽培は下火になって行きます。 石垣島のパッションフルーツ畑 ただ、商品の評価は非常に高かったため商社を通して海外から冷凍ピューレをテスト輸入しましたが、まったく自分達が考えている味にならず断念。 「何故この魅力的なフルーツが加工品になるとこんなにも味が変化してしまうのか?」 と疑問を持ち、ヨーロッパのマーケットやオーストラリア・台湾などを廻ってみて、最終的にスリランカの工場でその原因が明確になります。 スリランカの工場はイギリス人の経営で戦前から続いているトロピカルフルーツの加工場。マンゴーなどは多くの女性が手作業で皮を剥き丁寧に加工しています。しかしパッションは洗浄から搾汁保存まで一貫してオートメ化しており、オーナーはそれをとても自慢にしていました。 ここで問題なのは色付くと直ぐに収穫してしまうこと果物の多くは完熟する1週間ほど前に香りと糖が最高の状態になります。 パッションは特に他の果物のように色だけでは熟度が判断が難しい。 私達は完熟して落ちた実だけを収穫して利用します。 さらに一つ一つを包丁でカットし香り熟度を確認した物のみ利用。 これだけで果物本来の味と香りが残ったピュレが出来ます。 カットは1個1個手作業で 今まで海外のパッション関連メーカーからも私達の製品を試飲して驚き製造方法に関して何度か問合せがありしたが、「そこまでやったら採算に合わないから無理だ!」との声が殆どでした。 それでも、この味を世界に伝えたいと云う想いで、国内での生産規模拡大は諦めて原料を確保するために海外での原料生産を考えはじめます。   この項続く