Hello! My Name Is 404│株式会社川平ファーム https://www.passion-jp.com |パッションフルーツ専門店 Tue, 07 Jun 2022 13:07:47 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.8.9 野生ランへの思い2 https://www.passion-jp.com/%e9%87%8e%e7%94%9f%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%81%b8%e3%81%ae%e6%80%9d%e3%81%842/ Tue, 05 Apr 2022 07:18:27 +0000 https://www.passion-jp.com/?p=5005 「牧野記念庭園記念館」での2ヶ月半にわたる企画展も、記念館では記録的な4500人ほどの見学者を迎え無事終了しました。
併せて多くの方々の後押しを得てクラウドファウンディングによる画集作成も目途がつき、制作に取りかかっています。制作を始めて強く思うのは当時40年前と現在の情報の在り方です。

当時の執筆プロセスを思い出してみて

当時は編集の羽根井良江さんが全国(主に愛好家や生物の教師など)から、野生ランに関する情報を集め、入手すると前川先生のところに届け、直ぐに私が先生の自宅に赴き、届いたランを受け取って画に仕上げるという作業から始まりました。
そのため生態的な環境は解らずに描くことが多かったのです。

そのうち「実際に現場で描けるか?」との問合せに勿論ですと快諾し、情報が有る度に自生する現地へ飛ぶことになりました。
5月に雪降る北海道で描いたり、富山までとんぼ返りで描きに行ったりとかなり強行なこともありました。
ただどうしても強行で行った場合思うように描ききれなかった記憶があります。そのうち小笠原や南西諸島に出向くことが多くなり、その場合は往復1週間程度の旅になります。

自分の足で野生ランを探す

     

小笠原では母島で1週間クリスマスの頃、毎日民宿から片道2時間の距離を歩き数種類の画を描きましたが、最後に残ったムニンヤツシロランの情報は「桑の木山にある」だけでした。
1週間ほど通って最後の日、朽ちた大木の脇の枯れ葉の中にこの小さなランを見つけたときは大喜びで帰りの船の中で描いたものです。
屋久島では割合情報が詳しく多く、作業も進んだのですが八重山では情報量が少なく、探しているランが咲きそうだとの情報で東京から飛んでも、1週間の期間中に咲かなかったり、逆に既に終わってしまっていたりすると、作業は翌年の花期になります。
そんなことで特に八重山の野生ランを描く作業は遅々として進まず、「自分で探さないと終わらないな」と言うことでこれが移住のきっかけになりました。

ただ、現在までに2度ほど大病を患い自由に山の中を探索することが出来なくなり、ヤエヤマの野生ランを全て描くという思いは途中で断念せざるを得なくなりました。
現在、今回の企画展で画集を作るきっかけになり、全ての野生ランを網羅することは出来ませんでしたが、制作を始めるにあたりwebサイトで情報を集める事から始めました。
驚いたのは写真を含め全ての野生ランの情報がサイト内に確認することが出来ます。マニアや専門家、国立博物館など到る処に情報が溢れています。もし、今なら数年で国内の野生ランを全て描くことが出来るか?と思うような情報量です。

特に野生ラン愛好家の中で「幻の野生ラン」の筆頭にあげられる屋久島のヒメクリソランは、私達が株は確認しているものの40年間1度も花を見られていないランで、国内のサイトにも花の写真はありません。ところが何と海外のサイトに数十点の写真が掲載されていました。

今回の画集にはそんな情報も活用して、より濃い中身にして纏めたいと考えています。監修を元琉球大学教授:横田昌嗣博士に依頼しました。西表島の自然保護条例の制定や、野生ラン調査に同行したり、南西諸島をフィールドの中心として退官するまで積極的にフィールドに出ていた先生で、現在南西諸島の植物研究の第一人者です。8月を目標に画集をまとめ上げるつもりで日夜頑張っています。

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野生ランへの思い https://www.passion-jp.com/20211202-2/ Thu, 02 Dec 2021 02:36:16 +0000 https://www.passion-jp.com/?p=4978 2022年1月15日(土)〜3月27日(日)の間に、練馬区立牧野記念庭園で川平ファームの代表である橋爪雅彦の企画展開催が決まりました。そういえば、パッションフルーツ農家もしていますが本来は植物精密画の画家だったんですよね。

企画展が決まり、原画の整理や準備に追われている社長より「野生ラン」への思いについて語っていただきました。

すべては野生ランのイラストからはじまった

思い返すと、石垣島へ移住したきっかけは、東京の出版社から野生ランのイラストを依頼されたのがきっかけでした。

1981年誠文堂新光社の羽根井女史からの依頼で、始めて荻窪四面道にある東京大学の名誉教授前川文夫先生宅の門をくぐった事から始まります。その時始めて「コカゲラン」という30cm程の葉の無い小さな野生ランに出会いました。

当時学研の図鑑や北隆館の原色牧野植物図鑑などの仕事をしており、国立に住んでいた私は時折植物画の大家太田洋愛さんを見かけることがありましたが、まさかその後釜として「原色日本のラン」続刊を任されるとは夢にも思っていませんでした。

当初は、羽根井さんから連絡が来ると荻窪へ飛んで行き入手したランを預かって描くことからスタートしましたが、やがて「原色日本のラン」未記載のランを描きに北海道から南西諸島まで情報を元に現地へ飛ぶことになります。

当時私はデザイン企画事務所を経営していましたが、連絡が来ると旅支度をして羽根井女史、野生ランの写真家神田淳氏との三人旅が続きました。

数少ない情報を元に現地へ赴き、更に数少ない情報で山の中を探し回る旅が続きます。基本的には現地でスケッチをして花まで彩色し、宿へ戻ってくることが多いのですが、ランを見つけると先ず神田さんが撮影をしその後私の作業になります。

情報では「花が咲いたと」あっても、現地では虫が食ってしまったり散ってしまった事もあり、その場合は翌年再挑戦になります。

北海道の北見での「カラフトアツモリソウ」を描くときは、4月なのに雪が舞う中凍えながらの作業でした。

種子島では巨木に巻き付く「ツルツチアケビ」を描くために4m程の木に登り、雨の中傘をさしての作業でした。

小笠原母島ではクリスマスの頃に毎日民宿から2時間以上かけてランを求めて歩き、滞在1週間の最後の日に朽木の傍らに落ち葉に埋もれたような「ムニンヤツシロラン」を見つけ、帰路の船中で描いたことを思い出します。

そんなことが7年ほど続きましたが、南西諸島の現地からの情報が非常に少なく、100点ほどを描いた所で作業の進捗が止まってしまいました。

前川先生の体長が次第に悪くなってきて、このくらいで出版できないかとお話もありましたが、そうこうするうちに先生が旅立たれてしまいました。跡を継いで筑波実験植物園の橋本保さんが原稿書きを引継、作業は続きました。

そして石垣島への移住

作業は継続したものの、南西諸島の残りのランの情報が少なく、先の見通しが立ちにくいことと、長女の喘息が酷くなったことも併せて、思い切って事務所を若い人に任せて家族での移住を決意しました。

移住して2年ほど経ったときに出版社の経営状態が悪くなり、この企画を続けることが出来ない旨の通知が来ました。そのため筑波に預けていた絵はすべて戻って来ましたが、山中での描きやすさを考えイラストボードで描いた水彩画の多くが、湿気のためか黴が生えている物が多くあり大変ショックを受けました。通常の水彩画用紙に書いた物は黴の発生は殆ど見られません。

ただ、出版がストップしてしまいましたが、先々のことを考えスキャナーで読み取りデジタル保存をしてお蔵入りすることになります。

この間、北海道から南アルプス、小笠原、四国、九州などほぼ全国を回りました。屋久島は十数回訪れています。

その屋久島で出会ったのがパッションフルーツです。

台風で蚕糸試験場の管理小屋に3日程閉じ込められ、台風通過後に庭一面に落ちていた紫の実がパッションとの出会いです。パカッと割って啜った果汁の香りと甘酸っぱい味は強烈な印象をもたらせました。2度目の出会いは西表島の山中へ野生ランを求めて通っているとき、一日山中を歩き回り帰路林道を脱水状態で戻ってくると、大富集落が見える頃にあの独特の香りが漂ってきて、野生化した黄色い実が渇いた喉を潤してくれました。

出版の予定は無くなってしまったのですが、元々東京の農業学校を出た私は、絵は続けながら思い切って農業への道を歩むことになります。

有機栽培でのパッションフルーツの生産と加工をしながら、直売店に絵を何点か展示しているのですが、植物関係の方などから是非纏めて本にすべきだとのお声を時折戴いています。

既に絶滅した物も数点有り、貴重な財産だという意識も有り、暇を見つけPCの画面で黴を取り去る作業を続けていました。これは思いの外大変な作業でしたが、1年ほどかけて一枚一枚描いたときを思い出しながらの作業で、描いたときと同様の絵に仕上がってきたと思います。一枚一枚にその時々の物語がありました。

そして今回、高校の先輩の関係で東京大泉学園にある「牧野記念庭園記念館」で企画展として展示させていただく運びとなりました。今回は、およそ60点ほどを石垣島から持参して展示する予定で準備中です。

会期も2ヶ月以上と長いので出来るだけ多くの方に観賞して戴ければと思います。

実は、これを機に図録として出版することも考えています。どのような形で出版するべきなのか、検討しながら企画展の際には何かご案内できる段階まで進めればと考えています。

練馬区立
牧野記念庭園
住所:東京都練馬区東大泉6丁目34番4号
日にち:
2022年1月15日〜3月27日
休館日:毎週火曜日
時間:午前9時半〜午後4時半

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ITI(国際味覚審査機構)優秀味覚賞への挑戦 https://www.passion-jp.com/20200625/ Fri, 25 Jun 2021 02:22:47 +0000 https://www.passion-jp.com/?p=4916 私達の挑戦は30年前に始まりました。

屋久島の樹林の中の小さな管理小屋に、台風のために3日間閉じ込められ台風の通過後に庭一面に落ちていた赤紫色の小さな果実。割って中の果汁を種ごと口に流し込んだときの今まで味わったことの無い甘さを伴った酸味と芳醇な香り。パッションフルーツの虜になった瞬間です。
その後事あるごとにパッションを味わってきたのですが、加工品になると全く別物になってしまうことに落胆し続け「このフルーツの本来の味・香りを知ってもらうには?」がスタートでした。

台湾やスリランカ等海外の加工施設を訪ね、そのヒントが解り始めこれは原料の栽培から一次加工、最終加工まで一貫してやらなければと決断。その結果ようやく納得できる味が出来るようになりました。お陰様で口コミでの評価も広がりリピーターも多くなりましたが、味に関しては自己満足の範囲を出ていません。

初エントリーは2017年

川平ファームの製品は、あくまでも嗜好品ですからこの味をどう評価されるのかを知りたいと思い、5年前に当時のiTQi(国際味覚審査機構)の優秀味覚賞にエントリーすることになりました。

iTQiは食品のミシュランとも云われ食品の「美味しさ」と「品質」をヨーロッパの調理師・ソムリエ協会所属の 200 人を超える著名なシェフとソムリエで目隠し審査されます。

初回は主力製品のパッションフルーツジュース100%と加糖タイプのパッションフルーツドリンクの2品を出品。★が一つでも付けばと思っていましたが、パッションフルーツジュース100%が★★、パッションフルーツドリンクが★★★を受賞。

思わぬ好成績でしたが、パッションフルーツジュース100%も自信があったのですが、希釈せずに審査されたため酸っぱ過ぎたのかなと反省。この年娘二人がベルギーブリュッセルでの授賞式に参加。

2年目はパッションフルーツジャムで勝負

2年目は100%に替えパッションフルーツジャムとパッションフルーツドリンクを出品、これは共に三ツ星を受賞しました。

パッションの加工素材のピューレは、原料のフルーツの栽培期間の気象条件や熟度などにより、微妙に味や香りの変化があります。そのためこのエントリーで三ツ星を受賞し続けることは至難の業と云われています。

3年連続受賞でクリスタル味覚賞受賞、いざベルギーへ

3年目は2年目と同様にジャムとドリンクでエントリー、出品するときにスタッフ一同で製造日の異なる製品をテイストし選別した物を送ります。
ドリンクが三ツ星を獲得し3年連続三ツ星のクリスタル賞を受賞、ジャムも高得点で三ツ星を受賞したという知らせが届きました。

プレステージ賞と云うことで家族の薦めで私と長女が授賞式に出席することに。
ステージに上がると云うことで生まれて初めてタキシードに蝶ネクタイを準備。石垣→沖縄→関空→オランダ→ベルギーと乗り継ぎブリュッセルへ。

ヨーロッパのパッション製品をめぐる

ジャムの豊富な品揃えは、さすがヨーロッパ!!

チョコレートの本場ベルギーではチョコレートとパッションフルーツの組み合わせた製品が多く見られます。早速有名なチョコレートショップ廻り、パッションと組み合わせたチョコレートを片っ端からテイスト。大手の製品ではやはりパッション本来の味が出ている物は有りませんでしたが、手作りの話題店ではパッションを活かした製品が見られました。授賞式まで数日余裕があったので高速鉄道のユーロスターでパリへ。ルーブル美術館を見た後ジャム(コンフィチュール)の本場でやはり有名なジャム屋さん廻り。ただ、パッションフルーツのジャムは見当たりません。

以前パリの「沖縄県フェア」にジャムを出品したときにソムリエ世界チャンピオン、オリヴィエ・ヴィッシェ氏に絶賛され、予約を受けているという「ワークショップ・イセ」を訪問。パリでの取扱の話も決まりました。でも、価格が15ユーロ(2000円)だったのにはビックリ。日本の3倍です!!。お店の方の話ではジャム製品の豊富なフランスでも本当に評価される商品で、価格は高いが、品質が良く、味をみれば買うそうです。

タキシードで挑んだ授賞式

ブリュッセルに戻って授賞式本番。会場は硝子の天井を持つヨーロッパ最古のアーケード「ギャルリーサンチュベール」の中のCinema Galeries。アーケードの路上にも会場が設営されています。

会場に入ると世界中のメーカーからの参加者で過密状態。私達は初回から三ツ星が続いたので余り意識してなかったのですが、一ツ星を受けたメーカーでも大喜びでスタッフを連れ参加している事を知り、この三ツ星受賞の意味を改めて感じました。

三ツ星を7回受賞すると与えられるダイヤモンド賞、3回連続でクリスタル賞が授与されます。

KABIRAFARMが呼ばれると壇上に上がりバックのスクリーンに大写しされた受賞製品と共に盛大な拍手で迎えられます。オランダ・ベルギーは世界で最も背の高い国。見上げるような主催者からとても重いクリスタルのトロフィーを受け取り、最後に参加者全員で賞状を差し上げ大声で歓喜の舞。

 

授賞式後に会場の内外に設けられた数カ所のスペースで、著名な審査員との記念撮影会が催されました。前年に授賞式に参加した長女を覚えている審査員もいて、和やかな雰囲気に内に授賞式は終了しました。

私達の製品は立ちあげ当時は石垣島の原料のみを使った事に拘っていましたが、毎年襲来する台風などの影響で現在はフィリピンのミンダナオ島に現地法人を作り種蒔きから加工まで一貫した管理の下にこの味を作り出すことに成功しました。

ただ、ともすれば地産地消が唱われ国産素材が尊ばれる世風になっていますが、一歩外へ出れば素材の原産地の問題は全く無く、味と品質が最重要と云うことを身にしみて感じました。

4年、5年と三ツ星受賞は続きます

翌年もこの二点は三ツ星を獲得、ジャムもクリスタル賞を授与。この小さな加工場で殆ど手作業に近い製造方法で味・品質を維持して行くことは関係するスタッフ皆の力です。

コロナ禍で色々と制限がありますが、パッションフルーツという素晴らしい香りと優れた酸味を持ったこのフルーツの本来の味を、もっと多くの人々に伝えたいと思っています。

今年も審査の時期になりました。

速報ではパッションフルーツドリンク5年連続三ツ星、パッションフルーツジャム4年連続三ツ星の知らせが入りました。

挑戦はこれからも続きます。

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パッション農家がマンゴージュースを作る理由 https://www.passion-jp.com/why-mangojuice/ Fri, 29 May 2020 06:55:11 +0000 https://www.passion-jp.com/?p=4730 パッションジュースの人気が上がることと並行して、石垣島ではマンゴー栽培が盛んになってきていました。多くの果実は完熟して落果する1週間ほど前から香りと凍土が最大限に乗ってくると言われており、木で完熟した熱帯の果物の味は未熟状態で輸入し、追熟させたものとは全く異なるほどおいしくなります。

 

日本では防疫の関係で、完熟した果実は輸入できません。石垣島では木で完熟し自然落果したものをネットで受け止める為、上質で芳醇な香りと甘さを持った素晴らしい果実ができるのです。そんな流れの中でパッションジュースをご愛用いただいているお客様から「是非マンゴーのジュースやジャムも欲しい」とのリクエストが増えてきました。

 

そんな折、石垣島で店を開いた著名人の喫茶店がTVで紹介されていたのです。「石垣島でこんな美味しいジュースに出会った!」と言う乾燥付きで紹介された店内を見てみると、後ろの棚に写っているのは大手メーカーの缶ジュースです。
せっかくこんな美味しいフルーツがあるのだから、加工品も本物を提供たいね。と話し合い、早速石垣産のアップルマンゴー(アーウィン種)で試作をしてみました。ところがどう繰り返しても生果本来の味が出ない上に、加熱処理をすると芋臭が出てしまいます。JAなどに聞いてみると、アーウィン種は本来は加工に適さない品種だとのこと。そこで市販されいるマンゴージュースを試飲しまくりました。

 

判明したのは、有名青果店などで扱われているマンゴージュースの原材料がほとんどインド産のアルフォンソ種だったのでです。そこで、有名青果店ブランドのアルフォンソ種のマンゴージュースを買ってきてスタッフで試飲、確かに濃厚で芳醇な甘さで美味しい。ところが、石垣島さんの完熟したアーウィン種と比較すると何かやや物たりません。

 

物足りなさが酸味と香りではないかと考え、当社のフィリピン現地法人で完熟したペリカンマンゴー(カラバオ種)を加えました。
パッションフルーツも果物本来の味をいかに活かすかを考えながら作っていますが、マンゴージュースも完熟果実の本来の味を知っているスタッフがいたからこそ、果物本来の味を活かした製品ができてきます。島のマンゴーの完熟糖度に合わせるために、ほんの少しの砂糖を加えてはいますが、当然保存料等の添加物は一切加えていません。石垣島の島内のマンゴー農家にも試飲していただきながら、一緒に作り上げたのが当社のマンゴージュースなんです。

 

原料自体は100%海外産ですが、島のマンゴー農家に加え海外の方達も納得の濃厚な味に仕上がっています。
もちろん、石垣島のフレッシュなマンゴーの味は多くの方に味わっていただいのですが、シーズンオフの時でもマンゴー本来の風味を感じられる濃厚なジュースとして人気商品になっています。

 

 

 

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パッションフルーツの種子 https://www.passion-jp.com/passionfruit-seed/ https://www.passion-jp.com/passionfruit-seed/#respond Tue, 11 Jun 2019 04:22:26 +0000 http://www.passion-jp.com/?p=4490 パッションフルーツの加工は搾汁の歩留まりが20%台で、残りは平均300粒入っている種子と厚手の皮になります。

加工用パッションフルーツ
加工用パッションフルーツの断面

契約農家から買い取っている果実も75%近くは廃棄処分になります。これを何とか解決できないかと思考していたところ、Webサイトに幾つもの研究論文が見つかりました。

国内でも森永製菓が種子エキスを健康食品として製品化していますが、私達はとてもそんな研究など出来るわけも無く、海外のサイトからヒントを得ることになります。

サイトには多くの研究データが見られ、欧米では鎮静効果の高いハーブティーとして、また皮も各種の効能が知られるようで、パッションフルーツはさまざまな植物療法植物の中で最もよく知られているものの1つのようです。

その中で現在は廃棄している種子の利用法を追求して行くと、パッションフルーツシードオイルが浮かび上がってきました。

オイルを絞るには次のような手順になります。

パルパーフィニッシャーで果汁と分離された種子にはまだゼリー状の果肉が残っています。

パッションシード
パルパーフィニッシャー、搾汁した果汁を投入すると数秒でジュースは下に種子は外に出てきます。

これを何度も洗うことにより種子の表面から余分な物を除きます。

パッションシード乾燥
洗浄後乾燥中の種子

風通しの良い場所で一週間ほど乾燥します。

搾油機もWebサイトで探しAribabaを通して中国から輸入。まあ格安の中国製だったので色々問題はありましたが取り敢えず作動はしてくれます。

完全に乾燥したものをコールドプレスマシン(常温搾油機)で数十㌧の圧力をかけ絞り出します。

パッションのシードオイルはあの爽やかな香りは殆ど無く、綺麗な黄色い割合サラッとしたオイルです。

 

種子1万粒で25ccほどのオイルが取れます。効率を考えると加熱したり砕いたりして絞ればもっと歩留まりは上がると思いますが、取り敢えず今まで破棄していた物から製品が出来るのでスタッフも大喜び。

この状態で日本へ運び沖縄で濾過し化粧品としてボトリングを外注し製品化することになりました。

パッションシードオイル01
搾油機で絞った状態のシードオイル

 

 

パッションフルーツシードオイルに関してはWebサイトから引用すると次のようなことが書かれています。

パッションフルーツオイルは黄色で、心地よい味と匂いを持ち、そして不飽和脂肪酸を多く含んでいます。 それは不安を減らし、睡眠を改善し、そしてストレスと疲労を減らすリラックス芳香物質(passiflorin)を持っています。 パッションフルーツオイルはリノール酸に富み、リノール酸は肌の脂質層の回復を助け、肌の絹のような潤いと潤いを高めます。 パッションフルーツの種子から派生したこのオイルを含むクリームと石鹸は、リラックスと抗ストレス感を提供します。

報告された特性:鎮静剤/神経・抗うつ薬・鎮痛薬・抗炎症・鎮痙/抗痙攣薬・消毒剤・

虫除け・テクスチャの光・サラッとした油感・吸収され易い

パッションフルーツシードオイルは、以下の製品に強く推奨される成分です。

マチュア、エイジングスキン、乾燥肌、ひび割れ肌、その他の肌の状態、一般的なスキンケア、乾いたもろい傷んだ髪、リップケア等

 

結構多くの効果が期待できるのかもしれない?

パッションシードオイル02
濾過して容器のテスト この大きいボトル1本は20万粒の種子から絞っています。

その道の方に販売方法や価格などの指導も戴いたのですが、何となくリーズナブルにと30ml入りで税込み3500円!

passionseedoil

オーガニック素材で100%でこの価格は安すぎる!! などと専門の方からお叱りも受けたのですが、種子はいくらでも使えるので取り敢えずこれで決まり。

とは言え、全く関連の無い業界のため販売法など解らず、店頭及びオンラインショップでのみの販売を開始しました。

それでも、実際に販売を開始した所、今までに無かったタイプでとても使用感が良いとリピート率が極めて高く、お礼のメッセージも沢山届くようになりました。

次は皮の利用法を思考開始です。

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海外生産への道 02 https://www.passion-jp.com/road-to-overseafarming2/ https://www.passion-jp.com/road-to-overseafarming2/#respond Mon, 10 Jun 2019 05:10:40 +0000 http://www.passion-jp.com/?p=4486 パッションフルーツの加工品が世界中を見渡しても何故果物本来の味香りが無いのか?

これが、拘りの始まりでした。

どの製品を試してもあの爽やかな酸味とトロピカルなフレーバーが生きていません。香料として出まわっているパッションも桃のような香りが主でとても果物本来の香りの物は見つかりません。私達は海外の工場を視察すると幾つかのヒントを選ることが出来ました。

まずどの国へ行ってもパッションは価格的に低い分類にある果物だと云うことです。これは栽培に余り手がかからない事と、熱帯にはもっと美味しいフルーツが沢山有り生食には若干向かないことが理由だそうです。スリランカの農業試験場では「あんな儲からない果物のためにわざわざ日本から来たの?」と云われました。

果実は通常受粉してから2ヶ月ほどで熟しますが、早めに色着いたりする物も有り、外観だけでは熟度が解りにくい果物で、基本は完熟して落果したものを利用しますが、多くのメーカーの場合、色着いた状態で木になっている物を直接収穫したものも混合しており、完熟・未熟が混合された原料を利用している事が多いようです。

消費の多くはジュースや香料の原料として加工されますが、その殆どがオートメ化された施設で加工作業に人が介在することは少なくなっています。

スリランカの工場での加工の流れ

洗浄(大きな水槽でジェット水流で洗浄)→コンベアで上がって破砕(クラッシャー)→遠心分離機又は圧搾搾什機で搾汁→濾過→加糖して常温保存・又は急速冷凍して保存

この間殆ど人は介在しません。

従って熟度(香りや糖度)の判断する工程は有りません。

私達はこの点に注目し、完熟した果物だけを厳選し、一個一個包丁でカットし人の感覚で熟度を判別しながら搾汁します。この作業だけで専門メーカーの方は「そこまで手をかけると採算には合わない!!」との反応を示します。実はここがパッション本来のの味・香りを活かす最大のポイントです。

 

一つの果実に平均300個も入っている種と一緒に搾汁した果汁は、直ぐにパルパーフィニッシャーを使い果汁と種子を分離します。この後2度濾して急速冷凍、この間カットしてから冷凍まで15分以内で済ませます。

パッションフルーツは酵素が非常に多くピューレが常温時間にとどまると急速に発酵します。酵素の動きを以下に抑えるかが良質のピューレを作る必須条件です。

フィリピンでの作業はここまで、ピューレはマイナス25℃に保たれ、日本へ運ばれます。

パッションフルーツは皮・種で70%以上の重量が有ります。従って果汁の歩留まりは20%台。

パッションフルーツ

皮と種子は廃棄していましたが、Malaybalayの時は近くにミンダナオ中央大学の農学部が有り、そこで買われている水牛(カラバオ)の飼料として皮を提供、変わりに牛糞をもらってきて堆肥として利用していました。現在は幾つかの農家と提携し同様の作業を行っており、同時にパウダーとしての試行も続けています。

種子の使い道は無かったのですが、海外の文献を読むと多くの参考資料が出てきました。

この項パッションフルーツの種子に続く

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原料への拘り 海外生産への道 https://www.passion-jp.com/road-to-overseafarming1/ https://www.passion-jp.com/road-to-overseafarming1/#respond Mon, 20 May 2019 06:53:19 +0000 http://www.passion-jp.com/?p=4431 国内で主に生産されているパッションフルーツはPassiflora edulisという赤紫の玉です。
糖度が高く皮からも香りが出るため生食に向いています。
私達が加工用に作っているのはPassiflora edulis f. flavicarpaという黄色く二回りほど大きな実です。

原料果実は20数年前にブラジルから三分一さんという方が10種ほどのパッションの種を持ち込み、島民に配布した物を優良種の選抜という形で、毎回播種して増やしています。
加工時に一つ一つ包丁でカットするため、香りや熟度が良い物が判別でき、その種を播種することで良質の苗を作ります。
そのため苗は全てこちらから提供したものを使うという契約になっています。
知人の伝手を頼ってフィリピンミンダナオ島の中央部Malaybalay近郊でテストを開始。

Malay balay Organic Farm 加工施設
Malay balay Organic Farm 加工施設

成績は驚くほどよかったので、一次加工施設を整備し本格的に契約農家を集め各所で説明会を開始。地元のスタッフ達と山の中を飛び回る日が続きました。
栽培件数も順調に増え50軒を超えます。
ところが、有機栽培のため万が一のことを考え、1ヵ所の規模を50a以上にしないで他の畑との距離を100mほど離すように指導していたのですが、成績が非常に良かったので地元の有志が1ヶ所に4haもの栽培を始めてしまい、そこにウイルスが発生してしまいます。
当時は今のように携帯やネット環境が発達しておらず、後手後手の連絡で周辺地域に蔓延してしまい、全て焼き尽くしほぼ全滅状態になりました。
それでも前年のピューレの蓄えが数十㌧有ったため、何とか現地での事業を継続します。

契約農家01
ヤシ林の中の契約栽培

次に起こったのが周辺地域での土地がらみの紛争で、直接の被害は無かったのですが加工施設の土地のオーナーが紛争の当事者で、関係者にも犠牲が出始めさすがに危険を感じて設備の移動を検討。
折良くミンダナオで2番目の急成長を続けるCagayan de Oro郊外に、休眠中のジュース工場が売りに出ており、購入。と言っても容易ではなく、アンダーマネーが役所の窓口や警官でさえも催促されるような国で、売り主や税務署などと日本では信じられないようなゴタゴタが数年続きましたが、何とか地元スタッフが頑張ってくれ生産地域の新規改革から一次加工まで先の見通しが立つようになりました。

SYUIF全景
ミンダナオ2度目の加工施設 SOUTHERN YUI FARM INC

ミンダナオはフィリピン国内で最もフルーツの生産に適した所と云われ、国でも推奨しています。ただ、フラットで条件の良い良質の土地は、殆どがデルモンテやドール・ネスレ等大企業が利用しており、私達の生産地は主に今までココヤシなどで辛うじて生活を立てていた貧困地区が多く、パッションを栽培するための杭やコードなど初期投資は前借りすることになります。
熱帯のジャングルでは病害虫も多く、熱帯で有機栽培など無理だと地元の専門家にも云われましたが、現地の昔からの知恵として、マメ科のマドレカカオ等は害虫の忌避効果が有り、幾つかの植物や海草などを混ぜ発酵液作る農家も有り、私達も勉強になる事があります。
地元スタッフには「えひめai」の製造方法を教えて、定期的に散布させており一定の効果も見られます。

えひめアイ講習
えひめai講習会

この黄玉種は沖縄では人工授粉しなければ殆ど実がならないのですが、現地ではカーペンタービーという大型の熊蜂の仲間が花に集まってくるため受粉の手間が省けます。ココナッツを拾うだけの農業に慣れている現地の農家に、開花期には毎日畑へ行き人工授粉を強制させれば多分長続きはしなかったと思います。

山間部に広がるパッションの畑
山間部に広がるパッションの畑

収穫は完熟して落ちた物。パッションは完熟して土に落ちるとそこから傷み始めます。ただ、外面的には傷んだものでも割ってみると香り糖度共に優れたものが多く、農家がはじいていたものも買い取るようにしているため、喜ばれているようです。
現在は作りたい農家が多いようで契約農家は順番待ち。ただ以前は勝手に種を蒔いて増殖し親戚などに配り、収穫時期に見知らぬ人が担いで持ってくることもあったので、この整理も重要です。

この項続く

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川平ファームの原料への拘り https://www.passion-jp.com/our-materials/ https://www.passion-jp.com/our-materials/#respond Wed, 15 May 2019 06:00:57 +0000 http://www.passion-jp.com/?p=4427 私達川平ファームは石垣島へ移住当時、全て島産の原料を使うことをポリシーとしていました。

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基本的には病害虫が少なく有機栽培が可能なパッションと、砂糖以外の添加物を一切使用しない商品作りを目指したので、サトウキビの島で知られる石垣製糖産の砂糖で全てまかなえると思っていたのです。
ところが先ず石垣島では精製した砂糖は作っておらず、全て分蜜糖として内地の工場へ送っているとのこと。
仕方なく範囲を広げ本島の北部製糖の砂糖を使うことになります。

パッションの本来の味を如何に出すかに拘っていたので、「有機製品なら三温糖や甜菜糖を使用したら!」との声も度々聞こえ、使ってみましたが糖の癖が強く出てしまい思い通りの味にはならず、結局はグラニュー糖のみに絞っています。

一時は島内に十数軒もの契約農家が増え、新しい農作物として期待されましたが、露地栽培で台風の影響が大きく、10数年前に続いた凄まじい台風でほぼ全滅。
契約農家への保証も出来ずに島内での栽培は下火になって行きます。

パッションフルーツ石垣島
石垣島のパッションフルーツ畑

ただ、商品の評価は非常に高かったため商社を通して海外から冷凍ピューレをテスト輸入しましたが、まったく自分達が考えている味にならず断念。

「何故この魅力的なフルーツが加工品になるとこんなにも味が変化してしまうのか?」
と疑問を持ち、ヨーロッパのマーケットやオーストラリア・台湾などを廻ってみて、最終的にスリランカの工場でその原因が明確になります。

スリランカの工場はイギリス人の経営で戦前から続いているトロピカルフルーツの加工場。マンゴーなどは多くの女性が手作業で皮を剥き丁寧に加工しています。しかしパッションは洗浄から搾汁保存まで一貫してオートメ化しており、オーナーはそれをとても自慢にしていました。
ここで問題なのは色付くと直ぐに収穫してしまうこと果物の多くは完熟する1週間ほど前に香りと糖が最高の状態になります
パッションは特に他の果物のように色だけでは熟度が判断が難しい。

私達は完熟して落ちた実だけを収穫して利用します。
さらに一つ一つを包丁でカットし香り熟度を確認した物のみ利用。
これだけで果物本来の味と香りが残ったピュレが出来ます。

パッションフルーツ第一次加工
カットは1個1個手作業で

今まで海外のパッション関連メーカーからも私達の製品を試飲して驚き製造方法に関して何度か問合せがありしたが、「そこまでやったら採算に合わないから無理だ!」との声が殆どでした。

それでも、この味を世界に伝えたいと云う想いで、国内での生産規模拡大は諦めて原料を確保するために海外での原料生産を考えはじめます。

 

この項続く

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海外に農園を構える理由 https://www.passion-jp.com/why-oversea/ https://www.passion-jp.com/why-oversea/#respond Tue, 05 Jun 2018 09:17:57 +0000 http://www.passion-jp.com/?p=4350 今回は、私たちが作るパッションフルーツ製品の原料についてのお話をしたいと思います。
創業以来15年程は石垣島産にこだわり続けた私たちですが、現在は原料の90%はフィリピンの直営農園で生産しています。

なぜ海外にも農園があるの?

これは、お客様から言われる言葉です。
特に石垣島の特産品として名実共に全国レベルになりつつある今、イメージダウンになるのでは?との声も時折聞かれます。

私たち川平ファームの栽培に対する「こだわり」についてぜひ一度お読みください。

 

石垣島産だけで続けられない4つの理由

phillipine01

私達家族は石垣島に移住して30年近くになりますが、その間地元の原料にこだわり、パッションフルーツ一筋に栽培から加工販売までを続けてきました。
しかし、やむを得ず海外で原材料の生産を考えはじめた理由が4つあります。

1.毎年襲来する台風被害

その一として、年々強くなって襲来する台風の被害です。果実の生産が少ない時はあまり影響はありませんでしたが、契約農家が増え、お得意様が増え始めると「台風で全部飛んじゃったさ〜!」では済まなくなってきました。
栽培を全て、無農薬・無化学肥料の露地栽培にしているため、台風の影響は馬鹿になりません。
2007年の台風13号のように、瞬間最大風速が90mを超えたと云われる猛烈な台風が増えています。ほんの数時間で1000万円を越す被害が出たことも実際にあります。
沖縄では露地栽培の果樹には共済保険がかけられません。
そのため、台風が強くなるにつれ契約農家の方達のリスクが大きくなります。
私達も契約農家の台風被害まで補償することは不可能です。
そこで台風の影響の無い地域での栽培を考え始めたのです。

2.海外からの類似品

その二は、石垣島でのパッションフルーツ加工品の評価が高まるにつれ、海外から類似商品が大量に輸入され始めたことです。当時はまだ海外の製品の添加物などの規制はゆるく、これが本当にパッションフルーツなの?という風味のジュースが堂々と “石垣島産” として出回り始めたのです。
味としては非常に甘く、川平ファーム製品の売れ行き自体への問題は無かったのですが、価格の安さで大手ホテルなどはこの格安のパッションフルーツジュースに飛びつきました。
島へ来られる観光客の方々が、朝のバイキング(ビュッフェ)でパッションジュースを飲むと「ふ〜ん。こんなもんか。」と、2度とリピートをしません。
商売は自由なので文句は言えませんが、せっかくパッションフルーツ自体に高い評価がで始めたのにこれではまずい!と云うことで、価格への対抗策を練り始めました。
しかし、石垣島産に比べると半値以下のためとれも対抗できませんでした。

3.島外へも目を向けて活性化を目指す

その三は、島に暮らして初めて考えさせられた現実です。
当時、石垣島は自己財源率が20%台という貧しい自治体でした。大きなホテルやスーパーなどは島外企業のため、税金を落とすことも無く売り上げは全て島外へ出ていってしまいます。
子供達も高校を卒業すると90%が島外へ出ていきます。当然、大学へ通う費用も内地へ住む家庭よりも大きく、そのための資金は外から稼がなければなりません。

私は商工会の理事を12年程務め、主に特産品の開発指導を手伝っていました。石垣市の商工会の合言葉は「外貨(島外からのお金)を如何に稼ぐか?」でした。
私達の事業も、お客様のおかげで高い評価を得るに至りました。
そこで、私達が終の棲家として選んだこの地に少しでも役立てばと、できる範囲で大きくしてみようと考えました。

4.ウリミバエとの戦い

最後の理由。これはあまり声を大きく言えていないのですが、八重山ではウリミバエの根絶プロジェクトが国家事業として行われています。

ウリミバエは大正8年(1919年)に八重山群島で発見されて以来、下図のように分布域を拡大してきました。ウリミバエの被害は農作物を直接加害することだけでなく、このハエの発生地域である沖縄県からみ発生地域である本土への寄主植物(ウリ類など)の移動が法律で禁止または制限されているという目に見えない大きな被害があります。

− ウリミバエの侵入防止事業(沖縄県病害虫防除技術センター)

事業としては平成5年にウリミバエの根絶に成功したのですが、台風などの時の風に乗っていつ南からウリミバエが入ってくるか判らないので、不妊肘の散布は現在も続いています。
防除センターのヘリが飛んでくると空中から多くの不妊処理をしたミバエが雨のように降ってくるのです。ミバエはパッションフルーツの果実に卵を産もうとして刺して飛び回ります。刺し傷はコブになってしまい、刺されたほとんどの果実が途中で落ちてしまいます。

当ファームは基本的には露地栽培なので、多い時は5割近い果実に被害が出ました。
しかしこの国をあげてのプロジェクトに異議申し立てするわけにはいかず、断腸の思いで石垣島での農地拡大をあきらめた次第です。

この大きな4つの理由で、海外の原材料にを目を向け台湾や南米などの原料を取り寄せて、納得できる製品が作れるか試みてみましたが、やはり私達が求めている味・香りの加工品を作ることはできませんでした。

 

海外視察で気づいた事

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そこで、海外の加工施設の視察を始めました。台湾から始まりオーストラリア、タイ、スリランカと廻って気がついたのは、パッションフルーツはどこへ行っても一次加工がオートメーション化されていたことことでした。
パッションフルーツ(特に加工用の黄玉種)の加工の難しさは、完熟しても他の果物のように味・香りが均一になることはけっしてありません。
だから、本来はオートメーションでの加工だと品質を判断する事ができないため、向いていないのです。
そしてやはり、原料の風味も大きく変わってしまうため、商品の味に影響してしまうのです。

無いなら自分で栽培しよう

海外で販売されている原材料では私達が求める品質の製品を作る事はできない。
その答えにいきついた時に、品質にこだわるのであれば海外で自分たちで栽培をしようと考えました。
石垣島でこだわってきた、種まきから製品加工まで一貫した管理の下に行うことで、パッション本来の味・香りを生かした製品作りを継続していく。
無農薬・無科学肥料での栽培、そして果実の味が劣化する前に一次加工を現地工場でする事を目標に海外農園を作る事を目指し動き出しました

 

フィリピン・ミンダナオ島で農園を

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そして現在、日本からも近く台風の発生地よりも南で、比較的台風の影響の少ないフィリピン・ミンダナオ島に現地法人を作り、標高400m〜1000mの北部丘陵地帯に広がるジャングルの近くでとことん自然栽培にこだわった栽培を続けています。
現地の人たちからは「熱帯地方で無農薬だなんて狂気の沙汰だ!」と当初は笑われてしまいましたが、試行錯誤を繰り返しながら、ようやくある程度の原料を確保する事ができるようになってきました。
同時に、現地の大学と共同で研究・開発をしながら、貧困地域での持続力のある新しい農産地の早出として、地域おこしの役割も担っています。

パッションフルーツ第一次加工
一次加工の方法は石垣島と同じ方法です。

 

フィリピン農家回り
もちろん各農家の栽培指導も行います。

果実はそのままの状態では日本への輸入ができないため、現地で立上げた工場で一次加工をして冷凍ピューレを作ります。その際には、石垣島でもこだわってきた「人の五感」での果実の選別をしっかりと行い品質管理をできるようスタッフ指導も行ったきた事で現在も安定した品質を保つ事ができています。

日本の絵本をタガログ語に訳して現地の子供たちへプレゼント
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鉛筆などのお土産も大喜びです
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パッションフルーツは本来、熱帯の果物なので、完熟した果実の味・香りは石垣島産の物と比べても劣る事は無く、他の輸入物と比べても価格で対抗でき、より上質なものをリーズナブルな価格で安定してお客様に提供できるようになりました。

定期的に私やスタッフがフィリピンに滞在し、農家の視察や栽培指導、工場の品質チェックや指導などを行っています。
フィリピンというお国柄なかなか根付くのには時間がかかりますが、これがこの地域の産業として成長していけば、今貧しいこの地域の手助けになるのではと考えています。
これに関しては、ほぼ私のライフワークの一環となってしまっていますが・・・

 

石垣島の農園の現在

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もちろん、石垣島でも規模は縮小してしまいましたが果実の生産は続けています。
川平ファームが管理している石垣島サイエンスガーデン内ではパッシフローラ(トケイソウ)の見本園や、優良種子の選抜作業などを行っています。
天候に左右されてしまいますが、台風などの影響がなければ石垣島では年に2回の収穫が見込めます。
そんな訳で、石垣島川平で立上げ、地元産の原料にこだわり続けた川平ファームは、パッションフルーツという情熱の果物に思いを馳せながら、形式的には輸入原料にはなりますが「トレーサビリティ(流通経路の追跡可能性)」の明確な原料で、安心して楽しんでいただける製品をお届けしています。

また時間がある時にでも、海外農園の様子などもご報告できるようにしたいと思っています。

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リピーター続出のパッションフルーツジュース100とは? https://www.passion-jp.com/what-is-passionfruitjuice100/ https://www.passion-jp.com/what-is-passionfruitjuice100/#respond Wed, 30 May 2018 05:40:07 +0000 http://www.passion-jp.com/?p=4272 梅雨も終わってしまったのか、気がつけば夏のような暑さが続いている5月の石垣島です。GWが終わるとここから台風のシーズンまでが川平ファームの繁忙期。
要するにめちゃくちゃ忙しい日々がやってきます!
そんな忙しい時期になると、私は特に「パッションフルーツジュース100」を好んで飲むようになるんです。

きっとそれは常連のお客様も同じようで、定期的に購入される方が集中してきているようにも感じます。

今回は、そんなパッションフルーツジュース100の魅力を余す事なくご紹介します!

 

「ドリンク」と「ジュース100」の違いって?

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すでにご存知の方も多いとは思いますが、当店では「パッションフルーツドリンク(加糖タイプ)」と「パッションフルーツジュース100(無糖タイプ)」を販売しています。
そもそもこの違いってなんなのでしょうか?
名前だけみてもさっぱり?ですよね。
そこでこの二つの根本的な違いや味の違いをご紹介します。

飲みやすいように調整されたパッションフルーツドリンク

パッションフルーツドリンクは、果汁とグラニュー糖でどんな方でも飲みやすいように調整された希釈タイプのジュースです。
川平ファーム創業以来ずっと愛されている商品で、お好みのもので希釈する事で様々なアレンジドリンクを楽しむ事ができます。

詳しくは前回の記事で紹介しているので、ぜひ読んでみてくださいね。

パッションフルーツ ドリンク の秘密

それではパッションフルーツジュース100とはいったいなんなのか?

単純に説明すると、「絞った果汁を瓶詰めしたもの」なんです。
添加物も加えていないですし、お水も入れていません。なので、味としてはとても酸っぱいのですが、酸味の奥に果物本来の甘みを感じる事ができます。

実は「酸味」って感じ方が人それぞれ違うので、このジュース飲めない方もいらっしゃいます。
店頭で味見をしていただくと

「おいしい!」「すっっっっっぱい!!」

の両極端な意見が出てきます。果汁100%のストレートジュースだからと購入しようとしているお客様を見かけると

「ちょっとまって!まず飲んでみて!」と味見をおすすめしています。

パッションフルーツを食べ慣れている方や、酸っぱいのが好きな方、そして味見をして気に入ってくださった方にはおすすめのジュースです。

 

作り手のこだわりって?

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こだわりについては、もうたくさん詰まっていますが、パッションドリンクの時にも触れているのでぜひそちらも合わせてご覧ください。

1.栽培から自分たちでこだわる

自社農園から、栽培指導をしている契約農家、海外の自社農園の全ての栽培方法や肥料などを管理しコントロールしながら栽培をしています。
添加物を加えずに良いモノを作るなら、原材料の果物を作る時点でしっかりといい果物を作る!

2.人の五感を使って選別する

収穫した果実の選別は、オートメーション化されておらず全て経験あるスタッフの五感によって行われています。

3.濃縮還元じゃない

とても酸味の強いジュースなので「希釈してもお飲みいただけます」とおすすめしますが、濃縮還元はしていません。あくまでも、「絞った果汁を瓶詰めしたジュース」です。濃縮もしていないですし、余計な水分を加えていません。詳しくはパッションドリンクの説明を読んでみてください。こちらから

4.収穫期によってジュースの味も変わります

そして、パッションフルーツジュース100だけのこだわり・特徴が「味が作るたびに変わります」です。

当店の管理する農園はほとんどが露地栽培です。そのため、その年の天候や気温によって果実の状態もかなり左右されます。
そして添加物も水分も加えていない、”果汁だけのジュース”なので果実の味次第で出来上がるジュースの味も変わります。

「酸味がとても強く甘みは控えめなジュース」であったり「酸味がマイルドで甘さがしっかりと感じられるジュース」の場合もあります。

私たちは敢えて「味を整えて」ジュースを作りません。
その年、その時期のパッションフルーツ果汁の味をぜひみなさんにも味わっていただければと思います。
今年のは酸味が弱いな・・・と思ったら「果実がとっても甘く出来上がったんだな!」って思っていただければ幸いです。

 

パッションフルーツの栄養素って?

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酸味があるから柑橘系?実はそう勘違いしちゃう人も多いみたいです。
パッションフルーツは酸味はありますが、実は柑橘系ではありません。
そこでパッションフルーツに含まれている栄養素をさらっとおさらいしていましょう。

カリウム・βカロテン・ビタミンB6・葉酸・クリプトキサンチン

それぞれの栄養素が体の働きにどう影響してくるのか?
とても詳しく紹介されているページをご紹介しますので、ぜひお読みください。

栄養成分百科

栄養成分百科では、食品に含まれる栄養素のはたらきやどのような食品に多く含まれているかなど、各栄養素についてくわしくご紹介します。

– グリコ 栄養成分百科

パッションフルーツジュースは果汁だけを熱殺菌して瓶詰めしているので、数値的には若干下がってしまうのですが、加糖タイプにくらべるとやはり含まれている栄養素の数値は高くなっています。

どうやって飲んだらいいの?

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それでは、そんな酸味の強いパッションフルーツジュース100をどうやって楽しんだらいいのでしょうか?
お客様から教えていただいた使い方も合わせてご紹介したいと思います。

1.ストレートで果汁をそのまま飲んでる気分!

約50ccぐらいを目安に、よく冷やしたジュースをストレート飲む!
キュッと口に広がる酸味は目がさめる味わいです。
一つの果実から搾れる果汁自体が約50ccぐらいなので、飲み過ぎには注意しましょう。

2.お好みで希釈してアレンジドリンクとして!

冷水や炭酸水などで希釈する事ですっきりと爽やかなジュースとしてもお楽しみいただけます。まるで果汁をギュッと絞って混ぜたような爽やかな風味です。
また、日本酒・泡盛・ウォッカ・ジン・ウォッカなどのアルコールとの相性もバッチリなんです!すっきりとした飲みやすい風味になり、飲み過ぎてしまうかもしれませんね。

3.スムージーなどの隠し味として!

グリーンスムージーや酵素ドリンクなど、健康にはいいみたいだけど少し飲みづらい・・・というような飲み物に少し隠し味として入れてみてください。いつもより飲みやすくすっきりとした口当たりになると好評です。混ぜるものによっては、パッションフルーツの風味はまったく残らない事もあるので分量はお好みでアレンジしてみてくださいね。

4.ドレッングの材料として!

これは私のイチオシです!ドレッシングに少し加えると、サラダやカルパッチョに相性の良いドレッシングに大変身してくれます

オリーブオイル・少しのお酢・パッションジュース100・塩こしょう・ハーブなど・・・

を適当な割合で混ぜるだけで、いつもとはちょっと違ったドレッシングの出来上がりです。すっきりした風味なのでお刺身と和えても美味しいですよ。

5.料理の材料にもおすすめ!

ハワイにお住いのお客様から教えてもらったのは、お肉料理を作るときにパッションジュース100を少し加える事で、お肉が柔らかくなるという事でした。初めて聞いたので目からウロコ。

それ意外にも、カレーや焼きそばの隠し味やお菓子の原材料としてもお使いいただけます。
私はチーズケーキを作る時はレモン果汁の代わりに、パッションジュース100を加えたり、ソースとしてかけたりしていますよ。

このパッションジュース100の使い方、実はまだまだ私自身も模索中です。
お客様から教えていただくことも多いので、まだいろいろ試してみたいと思っています!

 

疲労度を知るためのバロメーター

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こんなおすすめポイントがたくさんのパッションフルーツジュース100を夏のような繁忙期になると飲みたくなってしまう理由。それは飲んだときの酸味の爽快感だけじゃないんです。
私の場合、夏場お客様も多くとても疲れてしまうのですが、そんな時にパッションフルーツジュース100をストレートでグッと飲むといつもは酸味を感じるはずのジュースがとても甘く感じるんです。
そしてお客様も少なくゆっくりと過ごせるような忙しくない時にストレートで飲むといつも通り酸っぱく感じてしまいます。

「疲れていると酸っぱく感じるクエン酸ドリンク」など製品がありますが、体調によって味覚が変わるのは確か。酸っぱいものを甘く感じたり、いつもより塩辛く感じたり。そのメカニズムがわかれば体調をチェックするバロメーターになるんです。

酸っぱい?甘い?味覚の変化で体調を知ろう!

要するに好かれていると酸味を感じにくく、元気だと酸味を感じるという事ですね。
なのでパッションジュース100を飲んだ時に甘い!と感じる時は自分が疲れているんだなと自覚できるいいきっかけだと思っています。
特に忙しくなる夏場は毎日パッションジュース100をストレートでキュッと飲むことを日課にして自分の体調の様子をみているんですね。

 

結論:とりあえず試してみて欲しい!

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たくさんの情報と一緒にパッションフルーツジュース100のおすすめポイントを書かせていただきました。
最後まで読んでくださったあなたはきっと川平ファームスタッフの長話にも楽しく付き合っていただけることでしょう!

実はパッションフルーツドリンクよりも、パッションフルーツジュースのほうが「毎日欠かさず」飲まれる方が多いんです。
毎日の日課として、健康を意識して・・・そんな方達に喜んでいただける製品をお届けできるようにこれからも頑張りたいと思います。

ただし、酸っぱいのが苦手!という方にはおまりお勧めはしません・・・飲めない方は飲めないので、ぜひ飲みやすくなっているパッションフルーツドリンクをお楽しみください!

 

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