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 石垣島歳時記

1年中花が咲き季節感が少ないと云われる南の島ですが、ちょっと目を懲らせば内地では見られない変化が沢山あり、飽きることはありません。ここに掲載している物は動植物などが主です。それ以外の風物は時に応じて、ブログ「南の島より」に掲載しています

クワズイモ   2007/06/01
内地ではグリーンパラソルなどの名前で観葉植物として売られているクワズイモ。いくら切っても増殖してくるので困りものですが、この緑色の大きな葉は南国の風情を出すのには最適です。シュウ酸カルシウムを多く含み、切り口から出る汁はかぶれます。また、誤って食べると舌が痺れて話が出来なくなります。
               

ノボタン   2007/05/31
空梅雨模様の川平から於茂登連山越しに見る市街地の空はここ数日激しい雷雨と雨に見舞われています。梅雨入りからの川平の降水量は僅か1ミリ。この時期から夏にかけて野山を彩る柔らかな紫桃色の大きな花はノボタンです。蘂の黄色と花の色の対比が野山に花の少ない時期に一際目を引きます。園芸種もよく見られますが、野性ならではの佇まいです。
       

サキシマキノボリトカゲ  2007/05/29
今年は空梅雨状態ですが、この頃になるとキノボリトカゲがテラスの手摺りの上を走り回ります。手を出すと大きく口を開けて威嚇してきますが、そっと手を出すと簡単に手に乗ってきます。方言では地域によって数多くの呼称が有りますが川平の子ども達はタックルと呼んで可愛がります。カメレオンのように短時間に色を変える爬虫類として最近マニアの間で人気が有り売買されているようで、レッドデータブックでは絶滅危惧種になっていますが、当園では大きな木には必ず1匹は縄張りを持っているようで、雄同士が腕立て伏せのような威嚇行動を見ることができます。
       

シマトネリコ   2007/05/18
例年に比べて少し遅めの梅雨入りでしたが、それに合わせて泡のような小さな白い花が満開になりました。最近は観葉植物として人気があるシマトネリコです。雌雄異株なのですが、花が小さくどの木も実が良くなるので、銀杏のようにはっきりと雄・雌の株の区別をするイメージはありません。我が家のテラスの前の株は実生から8年目。既に10mに届くような大きさです。
       

イジュ   2007/05/02
八重山での梅雨の入りはゴールーデンウィークの終わり頃が多い。その頃に山間部に咲き誇るのがイジュの花です。例年ならこれから6月初旬までの花ですが、今年は既に満開に近い状態。ツバキ科の常緑高木で、琉歌などにもよく歌われています。経5cmくらいの梅を大きくしたような白色の花を枝の先に多数つけ、黄色い毛玉のような雄蘂との対比が美しく、梅雨入りを告げる花とされています。樹皮は魚を酔わせる効果があるそうで、漁にも使われていたことがあるそうです。
       

リュウキュウキンバト   2007/04/28
艶のある、緑色の美しい羽をもつ鳥で、嘴は赤色。ハトの仲間では日本でいちばん小さい種類です。国指定の天然記念物で最近姿を見る機会が少なくなりましたが、当園の坂道は餌場になっていて、毎日歩き回っているのが見れます。八重山諸島と宮古島分布。時折森の中を一直線に飛んで行くのが見れます。我が家の硝子窓に年に数羽鳥が激突しますがこの鳩もその仲間。今日はアカショウビンが激突しました。でもほとんどの場合しばらく目を回しただけで飛び去って行きます。
       

クロツグ   2007/04/27
この時期に山沿いを車の窓を開けて走っていると、時々甘い香りに包まれます。花を探しても中々見つかりませんが、この香りの元がクロツグの花です。クロツグはヤシ科の常緑の低木で島中の至る所に生息します。この甘い香りも近くへ寄ってみるとかなり強烈ですが、離れてみるとバニラのような甘い甘い香りが漂い、お菓子の国に紛れ込んだような錯覚さえ覚えます。石垣島では方言でマーニーと呼び、花は見えなくても「マーニーが咲いたネェ〜」が季節を感じさせる挨拶になります。
       

グラジオラス   2007/04/25
沖縄の離島には野生化したグラジオラスがこの時期に沢山咲きます。方言ではダンダンバナやナバルバナ(南蛮花)と云いますからやはり帰化種でしょう。朱色に黄色の入った花はどの島でも個体変異が無く、大群生地(ほとんど畑の周辺ですが)で観賞用としても宣伝できるのではと思います。この種は種子でドンドン繁殖してゆくため畑では厄介者です。石垣では丁度晴明祭(シーミー)の頃に咲くので墓前に飾ります。
最近は、畑からの駆除と観賞用の採取でほとんど野性では見ることが出来なくなってきましたが、島内を車で走っていると時折このオレンジの花が道端に咲いています。
       

ゲットウ   2007/04/22
ゲットウ「月桃」は東南アジア原産の多年草で、沖縄や九州南部等暖地に自生します。ショウガ科ハナミョウガ属で沖縄ではサンニンと呼ばれます。艶のある美しい花を咲かせます。また茎からは繊維がとれ、桃紙が作られています。葉にはショウガ科特有のさわやかな芳香がありで、食物を包んで蒸したり、草履などを編んだりしてきました。近年その精油成分には防黴や殺虫の効果が確認され畳表や殺虫剤としても利用され始めています。この抗菌作用から、お弁当を包むのにも利用されています。
この白い花が咲き始めると八重山はもう夏の訪れを感じる頃になります。艶のある白磁のようなふっくらとした白い蕾は先の方がピンク色に染まり、開いた花の唇弁は鮮やかな黄色に朱の模様が入ります。この植物は株の成長が早く、株立ちもぎっしりと出てくることから、近年では赤土の流出防止用として、畑の周囲に植えるところが増えてきました。
       

ズアカアオバト   2007/04/20
アカショウビンが鳴き出す頃にズアカアオバトがテラスの前の電線に留まるようになります。このオリーブグリーンの鳩は、台湾産が頭が赤いためこの名前になりましたが、八重山の者は頭は赤くはありません。必ず雌雄2羽で並んで留まっており、その仲の良さは羨ましいほどです。壊れた尺八のような「ポッポー、ポポー」という鳴き声は山の中で聞くと、近くで人が笛の練習をしているのかと戸惑うような音色です。この仲間は3亜種に分かれており、八重山のものはチュウダイズアカアオバト呼ばれてます。


テッポウユリ    2007/04/18
テッポウユリの花が咲き出しました。島中の海岸に近いところで咲き乱れます。これからゴールデンウィーク頃まで、御願崎や石崎などはテッポウユリの群生地で、エメラルドの海を背景に濃厚な香りを持った鉄砲百合に彩られます。
放っておいてもよく増え、次第に当園の草地を埋め尽くすようになってきました。


セイシカ    2007/04/13
幻の花と云われるセイシカ(聖紫花)はツツジ科の小高木で石垣島や西表島の 山奥の渓流沿いのやや湿った場所や斜面に自生します。最近は見ることも少なくなってきましたが、バンナ公園には植栽されており季節には沢山の花を見ることが出来ます。もう残り花ですが、新芽が赤く綺麗です。開花期は3〜4月。花は経5cm程で淡紫紅色、中央の花弁には紫紅色の斑点があります。


イワサキクサゼミ    2007/04/12
朝はアカショウビンに起こされ、日が昇ると耳鳴りのようなジージーという賑やかな声が島中に響きます。日本一小さいこの蝉は写真でも解るとおり、蠅よりもちょっと大きくミツバチよりちょっと小さな蝉です。日当たりの良い葉の上で賑やかに鳴いていますが、とてもおとなしく簡単に手で捕まえることができます。場所によっては群生するので、その体からは似つかわしくないほど大きな鳴き声で周囲を驚かせます。これから夏まで、ドライブ中に窓を開けて走ると、サトウキビ畑や海岸線の近くでこの鳴き声に取り囲まれます。           


センダン    2007/04/10
淡い紫色の小花を沢山つける春の風物詩。世界の温帯に広く分布する落葉高木です。石垣では女の子が生まれるとこの木を植え嫁ぐときにタンスを作って持たせる風習があったようで、成長の早い木です。果実はその実を啄みに数多くの鳥がやって来てます。
幹は建材などに,葉は肥料,殺虫剤または虫下しとして用いられてきました.「栴檀は双葉より芳し」という諺の栴檀は白檀のことです。当園は多くのセンダンの木があり、この時期山は薄紫に彩られます。ほのかな香りに包まれます。


セマルハコガメ    2007/04/05
暖かくなってきた雨上がりには、庭の芝生にセマルハコガメが姿を見せます。この陸生の亀はお腹の甲に蝶番があり、外的を防ぐために手足頭を引っ込めると、甲羅の全てが閉じてしまいます。
当園の中では20cm近い親亀から5cmにも満たない子亀まで、餌を求めて歩き回っています。好物はパッションフルーツの種で、よく種を探しに加工場の廻りにやってきます。最近は観賞用に密輸出もされていると聞きますが、地元の年寄りは「昔は喘息の特効薬として大部食べたサー!」と、天然記念物になって捕獲禁止になった今が恨めしいようです。


リュウキュウアカショウビン    2007/04/03

我が家のアカショウビンの初鳴きの平均日は3月28日。今年も温暖化の影響も無く,3月29日に鳴きました。夜明け前から聞こえる「キョッキョキョロロ〜ン」という、よく通る声は、これから夏場にかけて私の目覚まし時計です。写真のように嘴は朱赤色、羽がやや紫色を帯び、背中に真っ白な斑紋があります。当ファームの店名「コッカアラ」はこの鳥の方言名です。この仲間、オーストラリアに棲むワライカワセミは「クッカバラ」といいます。やはり鳴き声から来ているようです。時折亀甲墓の中からコツコツという音が聞こえるのは、この鳥が蟹などを石を使って割っている音で、村人からは気味悪がられています。それでも、口笛で真似をすると、かなり遠くからでも鳴き交わしながら寄ってくる、当ファーム一番人気の鳥です。


テラスの前の相思樹の枝に留まるアカショウビン



カンムリワシ     2007/03/23

石垣では冬場に多く見ることが出来ます。その名前とは裏腹に極めて気の小さな猛禽類です。大きさはカラスよりも一回り大きい程度、積極的な狩猟は行わず、田畑の周囲の木の枝や電柱の先に留まって、一日中獲物を待っています。最近では特に島内を走る車のスピードが上がり、シロハラクイナや蛇・蟹などの交通事故が多発するようになりました。
カンムリワシは多発地点の電柱の上で、獲物が動かなくなるのを他人任せで何時間でもジッと待っています。雨上がりの電柱では、羽を広げて乾かす様子がよく見られます。それでも、翼を広げて大空を舞ながらピピーッと鳴き交わす様はやはり王者の貫禄を見せます。幼鳥は白く、成長するに従って黒褐色になって行きます。      



オオゴマダラ     2007/03/20

石垣の市蝶のオオゴマダラ。年間を通して金色の蛹が訪れる人の目を楽しませます。黒真珠より感動すると云われるその自然の造形はまさに黄金のペンダント。ふわりふわりと風に舞ながら飛ぶ様から新聞蝶という別名を持つ白黒の蝶になるとは想像もできません。川平ファームの店内では数多くの蛹を見ることが出来、運が良ければ羽化に立ち会うことも出来ます。



デイゴ&ヤエヤマオオコウモリ     2007/03/17

沖縄の代表的な花「デイゴ」。お店のテラスの前に二抱えもある大きなデイゴが数本立っています。石垣の多くの学校や川平公園などにも大木が生い茂り、毎年入学シーズンにはこの真っ赤な花の下を新入生が通るのが恒例でした。ところが昨年から花が少なくなり、今年は島全体でも数本しか花をつけません。これは、ヒメコバチが異常発生し、県内全域のデイゴを枯死させ始めたからです。
詳しくは、先日八重山毎日新聞に投稿したのですが、ほとんどの人が台風のせいだと勘違いしており、まさかこの県花が絶滅に瀕しているとは思っていませんでした。記事を読んだ多くの方から、あの話は本当なのかとの問い合わせが殺到しましたが、残念ながら歌にもなったこの花は、私達の時代にはもう群生させる花を見ることは出来ません。毎年密を吸いにやって来て、目の前で生態が見られると人気者だったこのヤエヤマオオコウモリ達は、一体どうしているのでしょう。
 



カクチョウラン    2007/03/03
異常気象といわれる暖冬は、南の島でも花の時期を狂わせています。
日本で最も大きな花を咲かせるカクチョウラン(鶴頂蘭)が、1ヶ月も早く咲き始めました。昔は農園の周囲に鎌で刈るほど沢山あったといわれていますが、農地開発や乱獲で、ほとんど見ることは出来ません。
園内にはバイオで増やした株がそこここで花を咲かせ始めています。