原料への拘り

私達川平ファームは石垣島へ移住当時、全て島産の原料を使うことをポリシーとしていました。 基本的には病害虫が少なく有機栽培が可能なパッションと、砂糖以外の添加物を一切使用しない商品作りを目指したので、サトウキビの島で知られる石垣製糖産の砂糖で全てまかなえると思っていたのです。 ところが先ず石垣島では精製した砂糖は作っておらず、全て分蜜糖として内地の工場へ送っているとのこと。 仕方なく範囲を広げ本島の北部製糖の砂糖を使うことになります。 パッションの本来の味を如何に出すかに拘っていたので、「有機製品なら三温糖や甜菜糖を使用したら!」との声も度々聞こえ、使ってみましたが糖の癖が強く出てしまい思い通りの味にはならず、結局はグラニュー糖のみに絞っています。 一時は島内に十数軒もの契約農家が増え、新しい農作物として期待されましたが、露地栽培で台風の影響が大きく、10数年前に続いた凄まじい台風でほぼ全滅。 契約農家への保証も出来ずに島内での栽培は下火になって行きます。 石垣島のパッションフルーツ畑 ただ、商品の評価は非常に高かったため商社を通して海外から冷凍ピューレをテスト輸入しましたが、まったく自分達が考えている味にならず断念。 「何故この魅力的なフルーツが加工品になるとこんなにも味が変化してしまうのか?」 と疑問を持ち、ヨーロッパのマーケットやオーストラリア・台湾などを廻ってみて、最終的にスリランカの工場でその原因が明確になります。 スリランカの工場はイギリス人の経営で戦前から続いているトロピカルフルーツの加工場。マンゴーなどは多くの女性が手作業で皮を剥き丁寧に加工しています。しかしパッションは洗浄から搾汁保存まで一貫してオートメ化しており、オーナーはそれをとても自慢にしていました。 ここで問題なのは色付くと直ぐに収穫してしまうこと果物の多くは完熟する1週間ほど前に香りと糖が最高の状態になります。 パッションは特に他の果物のように色だけでは熟度が判断が難しい。 私達は完熟して落ちた実だけを収穫して利用します。 さらに一つ一つを包丁でカットし香り熟度を確認した物のみ利用。 これだけで果物本来の味と香りが残ったピュレが出来ます。 カットは1個1個手作業で 今まで海外のパッション関連メーカーからも私達の製品を試飲して驚き製造方法に関して何度か問合せがありしたが、「そこまでやったら採算に合わないから無理だ!」との声が殆どでした。 それでも、この味を世界に伝えたいと云う想いで、国内での生産規模拡大は諦めて原料を確保するために海外での原料生産を考えはじめます。   この項続く