passiboss

­

About 橋爪 雅彦

言わずと知れた川平ファーム創業者。植物画家。パッションフルーツへの熱い情熱は、誰にもまけないのかもしれない。川平ファームについて、栽培について、ガーデンについて、海外農園の現状についてなど幅広くそしてとことん深くお届けします。
5 06, 2018

海外に農園を構える理由

今回は、私たちが作るパッションフルーツ製品の原料についてのお話をしたいと思います。 創業以来15年程は石垣島産にこだわり続けた私たちですが、現在は原料の90%はフィリピンの直営農園で生産しています。 なぜ海外にも農園があるの? これは、お客様から言われる言葉です。 特に石垣島の特産品として名実共に全国レベルになりつつある今、イメージダウンになるのでは?との声も時折聞かれます。 私たち川平ファームの栽培に対する「こだわり」についてぜひ一度お読みください。   石垣島産だけで続けられない4つの理由 私達家族は石垣島に移住して30年近くになりますが、その間地元の原料にこだわり、パッションフルーツ一筋に栽培から加工販売までを続けてきました。 しかし、やむを得ず海外で原材料の生産を考えはじめた理由が4つあります。 1.毎年襲来する台風被害 その一として、年々強くなって襲来する台風の被害です。果実の生産が少ない時はあまり影響はありませんでしたが、契約農家が増え、お得意様が増え始めると「台風で全部飛んじゃったさ〜!」では済まなくなってきました。 栽培を全て、無農薬・無化学肥料の露地栽培にしているため、台風の影響は馬鹿になりません。 2007年の台風13号のように、瞬間最大風速が90mを超えたと云われる猛烈な台風が増えています。ほんの数時間で1000万円を越す被害が出たことも実際にあります。 沖縄では露地栽培の果樹には共済保険がかけられません。 そのため、台風が強くなるにつれ契約農家の方達のリスクが大きくなります。 私達も契約農家の台風被害まで補償することは不可能です。 そこで台風の影響の無い地域での栽培を考え始めたのです。 2.海外からの類似品 その二は、石垣島でのパッションフルーツ加工品の評価が高まるにつれ、海外から類似商品が大量に輸入され始めたことです。当時はまだ海外の製品の添加物などの規制はゆるく、これが本当にパッションフルーツなの?という風味のジュースが堂々と "石垣島産" として出回り始めたのです。 味としては非常に甘く、川平ファーム製品の売れ行き自体への問題は無かったのですが、価格の安さで大手ホテルなどはこの格安のパッションフルーツジュースに飛びつきました。 島へ来られる観光客の方々が、朝のバイキング(ビュッフェ)でパッションジュースを飲むと「ふ〜ん。こんなもんか。」と、2度とリピートをしません。 商売は自由なので文句は言えませんが、せっかくパッションフルーツ自体に高い評価がで始めたのにこれではまずい!と云うことで、価格への対抗策を練り始めました。 しかし、石垣島産に比べると半値以下のためとれも対抗できませんでした。 3.島外へも目を向けて活性化を目指す その三は、島に暮らして初めて考えさせられた現実です。 当時、石垣島は自己財源率が20%台という貧しい自治体でした。大きなホテルやスーパーなどは島外企業のため、税金を落とすことも無く売り上げは全て島外へ出ていってしまいます。 子供達も高校を卒業すると90%が島外へ出ていきます。当然、大学へ通う費用も内地へ住む家庭よりも大きく、そのための資金は外から稼がなければなりません。 私は商工会の理事を12年程務め、主に特産品の開発指導を手伝っていました。石垣市の商工会の合言葉は「外貨(島外からのお金)を如何に稼ぐか?」でした。 私達の事業も、お客様のおかげで高い評価を得るに至りました。 そこで、私達が終の棲家として選んだこの地に少しでも役立てばと、できる範囲で大きくしてみようと考えました。 4.ウリミバエとの戦い 最後の理由。これはあまり声を大きく言えていないのですが、八重山ではウリミバエの根絶プロジェクトが国家事業として行われています。 [...]

11 11, 2017

それぞれの名前の由来

パッションフルーツの魅力の一つとも云える、名前の由来についてご紹介したいと思います。 Passion Fruit (学名:Passiflora)は翻訳辞書などでは「情熱果実」と訳されることが多々あります。 しかし、本来の意味は「キリストの受難」でキリストの磔(はりつけ)のシーンと花の形状の相似性からそう呼ばれているそうです。   象徴的な花の特徴 3つに分かれた雌しべは「人の形、または十字架」を表すと記録されている説や 「打たれた釘」説があります。実際に観察してみると、雌しべが4本のものが時折出てきます。 その姿はまさに十字架そのものに見えますが、稀なのでこの雌しべは十字架に磔られたキリストとみるのが妥当ではないかと私は思います。 5本の雄しべは「打たれた釘または傷」を表すとされています。 糸状の副花冠は「棘の冠」や「鞭」という説がありますが、多くの絵画に見られるキリストの頭部から差し込む輝く光輪にも見えるような気がしますね。 パッシフローラ(トケイソウ)の種類の多くは5枚の花片と5枚の萼片が非常に類似しており、全て合わせると10枚の花片のように見えます。 これは弟子の数(10人の使徒という説ですが、一般的には12人と云われており?がつきます。)等諸説あります。 この花の花言葉が「聖なる愛(holly love)」・「信仰(faith)」・「宗教的情熱(religious fervour)」と言われているのも、まさに名前の由来から来ているのでしょう。 川平ファームのホームページでは実際に文献などに現れているパッシフローラの歴史についてもご紹介しています。 こちらからごらんください。 他の方のブログでパッションの名前の由来について調べられている方も多いのですが、なぜ「受難」と「情熱」という両極端な意味合いを持っているのかを深〜く掘り下げた田中千鶴香さん(実務翻訳者)の記事で4回に渡って考察されています。 「苦しむ」という意味のラテン語がpassionのルーツであるなら、「キリストの受難」の意味で使われるようになった経緯は容易に想像できる。だが「情熱」の意味はどこにいったのだろう。passionは一体いつから「情熱」の意味で使われるようになったのだろうか。 「意味がいっぱい -『英文教室の講義を受けて』内より-」田中千鶴香(実務翻訳者) 個人的に大変興味深く、またパッションの新たな一面を知るきっかけにもなりました。 パッションフルーツがお好きな方には、ぜひ一度読んでいただきたい内容です。 美しい歌声に魅了されて ところで、川平ファームには直売のパーラー兼ショップがあります。 創業当時の名前は「Coccala(こっかあら)」で、現在もお店の看板として残っております。 創業以来の常連様は今でも「こっかあら」で認識されている方もいるかもしれません。 この意味は看板に彫られているようにアカショウビンの石垣方言です。 島の中でも「コッカアラ」や「コッカルー」など字(住んでいる場所)によって微妙に異なります。 いずれもこの鳥の鳴き声が由来と云われます。 3月末に南から渡ってきて、島で子育てをし、9月末頃に南に戻って行く渡り鳥です。 カワセミの仲間で、鮮やかな赤色の大きなクチバシと、飛び去る時に背中に白色と青の斑紋を持ち、朝夕透き通った声で鳴き渡るのが特徴です。 大きなクチバシでカタツムリなどを捕って、医師などに叩きつけて割って食べます。 道具を使う珍しい鳥で、時折林の中からカツンカツンと殻を割る音が響いてきます。 特に川平ファームの周辺では多く見られ、季節になると店のテラスや駐車場などで見ることもできます。 [...]

23 10, 2017

石垣島サイエンスガーデンについて

整備中にもかかわらず口コミで来園希望者が増えつつある「石垣島サイエンスガーデン」 川平ファームの海側、日本百景・西表石垣国立公園に含まれている景勝地である川平湾に面した約5,000坪のガーデンではパッションフルーツの畑や季節に合わせて咲き乱れるトロピカルプランツを楽しんでいただけます。 整備を始め10年以上経ちますが、ここ数年でやっと一般のお客様にもご覧いただける形になってきました。 ※草刈り直後はドローンでの撮影でも見映えする美しさです。 石垣島中央部には、沖縄最高峰の於茂登岳を中心に山が多く豊かな自然が残されています。 しかし山中には猛毒を持つハブやヒルが生息しており、個人で散策するには危険が伴います。 サンゴ礁に囲まれた海遊びに関してはダイビングなどのアクティビティも多いのですが、陸上の自然を楽しめる場所が少ない!もっと安全に自然に触れられる場所をと考えて作り始めたのがこのガーデンです。 昔は水牛の休息所。今はスイレンの池。 15年ほど前に縁あって昔水田だった耕作放棄地を入手したのが始まりで、入手当時は所々に開けた深い池がありそこから水牛が顔をだしていました。 この土地は土壌の湿気が多すぎたため、残念ながら大規模なパッションフルーツ栽培には向いていませんでした。そこで思い切って土を掘ってみると、背後にそびえる川平前嶺(300m程の山です)で集まった水が湧き出し、見事な池ができました。 この土地は石垣島では珍しく数メートル下まで真っ白な砂地で、石や赤土は全く出てきません。 それでも、黒真珠の養殖をしている川平湾を汚染することは絶対してはならないと、10年近くかけて少しずつ整備してきました。 ガーデン内の見本園で見られるパッシフローラの花々 年中楽しむ事のできるネッタイスイレン 色鮮やかな熱帯植物に囲まれて 園内は、パッションフルーツの見本園を始め、国内では希有な年間を通して咲き乱れる青・紫・桃色などの熱帯スイレンの池や、100種類以上のプルメリアの他多くのトロピカルプランツに囲まれ、ゆったりとした時間を過ごせます。 40年以上無農薬・無化学肥料の土壌なので、絶滅危惧種の水生昆虫やトンボなど珍しい生物がガーデン内5面ある池の周りで数多くみることができます。 また、園内のクリークにはマングローブ林が広がっており、塩の満ち干に応じて多くの蟹類やミナミトビハゼ(とんとんみー)などを安全に観察することができます。 マングローブでは目をこらせば小さな生き物がたくさん これから本格的な開園に向けての整備に入りますが、見学ご希望の方は既に受け入れておりますので、お問い合わせください。 川平ファームの店舗にて受付とご説明をさせていただきます。 ガーデンの日々折々はフェイスブックにUPしているので、ぜひそちらもご覧んください。

8 10, 2017

ということで川平ファームのブログスタートです。

10数年以上前に一時期ブログを書いていたのですが、その後様々な動きの中で自然消滅。 ここ数年、書きやすさからかFBに移行していましたが、動きが多岐に渡りはじめもっと多くの方にお知らせしたい内容も増えましたので復活いたしました。 東京から石垣島・川平に移住してすでに30年近い年月をこの島で食わしており、沢に事業の延長で熱帯地方へ飛んだりと忙しい日々ですが、これから若い者も交えて面白い展開になっていきそうです。 川平ファームの創業話 お陰様で、現在では「パッションフルーツの川平ファーム」としてみなさまに知られるようになってきました。 そんなパッションフルーツと私の出会いは40数年前のことです。 台風直撃の屋久島で出会った初めて見る果物、それがパッションでした。 台風が通り過ぎた後、庭一面に落ちていた赤紫色の果物を拾い、割って一口啜った時の香りと酸味は、驚きと感動とともに今でも口の中に残っています。 その後、「原色 日本の野生ラン」の絵を以来され日本中を駆け巡っていました。 残された八重山へランを探しに通い初め、29年前にその植物画の仕事を仕上げることを目標に石垣島へ移住。 そして西表島の大富林道で再度パッションフルーツに出会い、パッションフルーツとの本格的な付き合いが始まりました。 当時、誰に話をしても「あれは、テラスの日よけ」とか「あんな酸っぱいモノなんで作るの?」などパッションフルーツ栽培に対する反応は低いものでした。 それでも五反歩の畑を借り、右も左も分からないままパッション農家としてスタートを切りました。 次第に協力者も増え、収穫した果実の加工を始め事業としての体を整えて行く事になります。   素晴らしさを伝えたいから、とことんこだわる より美味しいパッションフルーツの加工品を作る為に、国内のみに止まらず世界中のパッションフルーツの加工品を片っ端から味わってみました。 残念な事に、どれも果物本来の味・香りを生かした製品は無く、添加物によって味を整えているモノがとても多かったのです。 この魅力的な果物を世界中多くの人に伝えたい、まずは果物らしい香りと味を生かした加工品を作ることにこだわっていこうと、どんどんのめり込んでいきました。 そして、種まきから育苗・収穫・加工そして販売までを全て一貫して管理をしてく事で、現在の川平ファームの製品の品質を保って行く事ができるようになりました。 もしも、大量生産をしたいが為に、この手順を自動機械化などしてしまえば、味の品質も落ちてしまうのです。 製品に対してのこだわりは、また次の機会に詳しくご紹介したいと思います。 そして、新しいこだわり そして、現在は石垣島でのパッションフルーツ栽培・加工品製造と共にいろいろな分野に「新しいこだわり」を見出している最中です。 パッションフルーツの畑も含むガーデンを、動植物を観察できる植物園として整備していたり、海外でのパッションフルーツ農園の展開や、そしてもちろん新しいパッションの活用方法についてなど、いろいろな事をご紹介していければと思います。 ブログでは、時折過去を振り返りながら川平ファームグループ(株式会社 川平ファーム / 石垣島サイエンスガーデン / Souther YUI Farm inc.)として広がっていく幾つかの組織・展開などを織り交ぜながらUPしていきたいと思います。 どうぞよろしくお願いいたします。